カルマの法則とは

アーユルヴェーダにおいて、大切な考え方となるのが「カルマ」です。
これはヒンズー教では「因果応報」を意味する言葉で、概念として非常に大切にされています。
「因果応報」とはつまり、物事や行動にはそれ相応の報いがあるという考え方です。
3種類のカルマ
インド哲学では、輪廻転生説が解かれており、カルマの考えはその基礎であるといえます。
輪廻転生とは「悟り」を開くまでの間、人や動物は生死を永遠に繰り返すという考えです。
カルマには3種類あると考えられています。
- プララブダカルマ
- サンチッタカルマ
- アガマカルマ
プララブダカルマとは、持って生まれた前世のカルマのことです。
人はこのカルマによって、今世での行いがすべて決まっていると考えられています。
決められた行いをすべて果たしたときがその人の寿命であるのです。
サンチッタカルマとは、今世でのすべての行いや経験で蓄積された全てのカルマを指します。
アガマカルマとは、現れつつあるカルマという意味で、今世や来世の行いによって生まれるカルマです。
人はもはやこのカルマに束縛されることはないと考えられています。
病気とカルマ

アーユルヴェーダにおいて、病気は蓄積された悪いカルマによって引き起こされると考えられています。
つまり、医学的な治療だけで病気を治すことは難しく、インド占星術を用いて自分自身のカルマの特徴や原因を探ることが大切だと考えられているのです。
カルマは人の体の状態だけでなく、知覚・感情・気質・意識にも作用すると考えられています。
そして悪いカルマによって引き起こされた大きな病気は、祈りや礼拝などで治療を行います。
多くのアーユルヴェーダ医師は、これらの行為は少なくとも何らかの効果があると考えています。
アーユルヴェーダでは、プラスの良いカルマとマイナスの悪いカルマのバランスを保つことこそが健康な身体を形成するためには重要だと考えているのです。
それでは次のセクションからは、アーユルヴェーダの医学的な考え方に焦点を当てて学びましょう。